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地上デジタル放送について(前編)

2011.06.27

システムソリューション部の田代です。

今回は今までの技術者向けであった当ブログとは趣向を変え7月24日に完全移行され、私も仕事で携わったことのあるデジタル放送のことについて、誰でも理解できる読み物的な記事を書きたいと思います。
肩肘張らずに読んで頂けたら幸いです。

というわけで、まずはデジタル放送について説明した総務省のページをご覧下さい。

http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/kihonjoho/kihonjoho1.html

デジタル放送でこれが説明できるということは十分に網羅されているかと思います。

ですが、ここではもう一歩踏み込んでデジタル放送について、ソフトウウェアの観点から見た説明を今回と次回で行い、デジタル放送とは何とやをもうちょっとだけ理解してもらい、なぜデジタル放送化が必要なのかを理解して頂けたらと思います。

まずは最初にデジタル放送化について言及した総務省のページをご覧ください。
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/dtv/kihonjoho/kihonjoho2.html

色々ありますが要約すると主に
・多様なサービスの実現
・電波の有効利用
のために必要と言うことが理解できるかと思います。

まずは一つ目、多様なサービスを実現することについて言及しましょう。

多様なサービスを実現するってだけでは一見、

「アナログテレビでもなんとかやれば出来るんじゃない?
 日本は技術大国なんだから方法はあるはず」

とお思いになるかもしれません。

しかし、現実的には不可能です。それはなぜか?

それはデータを追加で送る余地がないからです。
以下に簡単ですが、アナログテレビの送信から受信までのおおざっぱな状況を絵にまとめてみました。

一方デジタルテレビの送信から受信までは以下のようになります。

見ての通り、一見はほとんど変わりません。
違うのは、「エンコード」と「デコード」という処理が加わっています。
この「エンコード」と「デコード」という処理こそがデジタルテレビがデジタルと言われる所以であります。

 

ではエンコードって処理はどういうものでしょうか?
エンコードとはあるデータを一定の法則でデータを書き換えることを言います。

この処理はCDから音楽をitunesに読み込む時に行われる処理と一緒です。
CDは規格によりますが一枚当たり650MBのデータが入ります。
これを取り込む時にAACという音声を表現できるフォーマットに置き換えることで、ipodでビットレートが256kbpsの場合場合約6分の1のサイズにすることが出来ます。
(設定によって色々フォーマットやビットレートは変えれます。結果のサイズはそれに依存します)

このAACというのが、日本の地上デジタルテレビで使われている音声のフォーマットでもあります。

映像も同じようにMPEG2 TSという規格を利用することで、今までアナログテレビで送信していたよりもより少ない量で同じくらいの質のものを送れるようになります。
イメージ的にはいままでは全部でCD1枚分しか送れなかったのが、CD数枚分のデータをエンコードすることでできるようになります。

こうして元々の映像と音声のデータをもっと容量使っていいものにして、そのデータをエンコードして送ることが出来るんので、地上デジタル放送はアナログ放送よりも質が良くなります。
さらに余った領域で、新たに番組表のデータを送信したり、データ放送のデータを送信したりすることで新たなサービスが可能になりました。

またシステム開発者には当たり前ですが、この際冗長化を行っておくことで途中でノイズが入って誤ったデータになった場合に、間違ったデータかどうかがテレビで判断できるようになり、さらにある程度レベルの間違いなら訂正して利用できるようになりました。


アナログテレビですと、受信した放送波をそのまま解釈するしかないので、ノイズが入った状態になってしまいますが

デジタルテレビの場合、データが多少誤っていても元のデータを復元できるので放送局が送出したそのものを楽しむことができます。

こうすることで、いつでも綺麗な絵と音で、多様なサービスを実現できるようになります。

 

しかしこれでは電波の有効利用については全く説明になってませんね。

これについては次回で言及します。